2018-08-21

和歌山〈紀の国トレイナート〉御坊紀州鉄道ダイブに参加しました。

紀の国トレイナートのフライヤー

先日から会期が始まった「紀の国トレイナート」。
JRきのくに線の駅舎をアート空間に変容させるというプロジェクトで今年で5年目だそうです。

今年は新たな取り組みとして、駅での停車時間を利用して
まちあるき(=ダイブする)という企画をされています。
一度ゆっくり歩いてみたかった御坊エリアにて、
作品の展示とともにまちあるき企画「御坊 紀州鉄道ダイブ」が開催されていたので、
これは!と思い参加してきました。

日本一短いローカル私鉄、紀州鉄道線

紀州鉄道線の車内

イベントの集合場所はJR御坊駅。
そこから日本一短いローカル私鉄こと紀州鉄道線に乗って、
まちあるきのスタート場所である西御坊駅に向かいます。
1両編成の短い車体。
紀州鉄道線の停車駅は5駅で西御坊は終点ですが、なんと8分で到着。
距離にして約2.7kmの旅!

紀州鉄道線の車窓の景色

田んぼの間を切り裂くように走る線路。
民家の軒先との距離も近く、生活に密着してるようなスケール感が心地いい。

紀伊御坊駅で弁当屋として使われている旧車両

紀伊御坊駅通過。
停車中の電車とすれ違ったかなーと思いきや、以前使われていた旧車両とのこと。
なんと今は内部を改装してお弁当屋さんとして使われているそうです。
面白いなー!時間があれば行ってみたかった。

西御坊駅の軒先と車両

あっという間に終点、西御坊駅に到着。

右側の建物が駅舎なんですが、この電車との距離。
電車の中から見ると丁度軒の高さです。やはりいいスケール感。

西御坊駅では岩塚一恵さんによる作品が展示中

西御坊駅に展示された岩塚一恵さんによる作品

西御坊駅では岩塚一恵さんによる作品が鑑賞できます。
御坊が紡績業で栄えたという歴史や、
海が近く、漁業もさかんだということをヒントに製作されたとのこと。

労力を考えるとくらくらするような作品。
奥から光がもれるトンネルのような駅舎にうねる波の様に配置されていて美しかったです。

まちあるきスタート。寺内町を歩く。

寺内町にある造り酒屋の伊勢屋さん

まずは造り酒屋の伊勢屋さんを見学。
すでに廃業されていますが、国の登録有形文化財にもなっている建物。
普段は非公開とのこと。

伊勢屋さんの建物の内観

圧巻の内部空間。
この蔵は二階建てで階高もかなり高く、こんな小屋組み見たことない。
ダイナミックな中に、不思議と素朴さが感じられる空間。

ちなみにさっき揺られてきた紀州鉄道はこの伊勢屋さんが設立したとのこと。
昔伊勢屋さんは御坊の半分の土地を所有されていて、自分の敷地内に鉄道を通したそうです。
凄さの桁が違う!

寺内町の様子

御坊は古くて立派な建物が多く残っているという印象はあったのですが、
話を聞くと、当時長者番付7位(!)という振り切ったレベルの資産家や、
歴史に名を残した偉人にゆかりのある名家が多い。

こちらはお醤油・味噌の堀河屋野村さん。
紀州最古の醤油蔵だそう。

寺内町の路地を歩く

寺内町に流れる川沿いを歩く

細い路地や川といった魅力もあって歩いていて楽しい。
この川がなんとも涼しげで、沢山魚が泳いでました。

寺内町に残る、玄関が障子戸の家

玄関が障子戸の家も残っていて、
今もお住まいされているとのこと。

まちなかに立派なお寺もあって、この日はお祭りがあって賑やかでした。
境内には幼稚園もあって、普段子ども達が走り回ってるんだろうなーと想像するとぐっときます。
スケールが大きなお寺ですが、町に溶け込んでる感じがしていいなと思いました。

プライドというか、品格が感じられるまち

西御坊駅の外観

まちあるきは次の電車が来るまでの1時間程度の予定でしたが、
見どころがありすぎて1本電車を送らせてのフィニッシュでした。

御坊はたまたま偶然古い建物が残っているのではないんだろうな。
格式のある家だからこそ、その
歴史を残していかなければという強い気持ちがあり、
たとえ住まいは他府県に移っていても建物を維持しようと尽力されているように感じました。

プライドというか、品格が感じられるまちだなあという印象。
ゆっくり歩くことができてよかったです。

トレイナートは9月24日(月・祝)まで開催されているそう。
まちあるきの企画は毎週末どこかのエリアで開催されてるようですよー

 

トレイナート
http://trainart.jp/2018/

 

 

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