真鍮の加工に〈バイス〉が便利でした。
ハタガネという、ボンドが乾くまでの間木と木を固定しておくための工具があるんですが
これが真鍮製でカクカクっとしてて、シンプルな作りでかっこいい。
これを使ってなにかプロダクト作れないかなーと思っていました。
いざ作るとなって、真鍮を精度高く加工するにはボール盤やドリルスタンドといった
垂直とか、ちょっと斜めとか、角度を固定して穴を開けにいける道具の購入を検討したのですが、
これは手作業で丁寧に開けるほうがうまくいきそう!と直感したのでバイスを購入。
バイスとは万力のことで、加工がしやすいように材料を固定するための工具。
これがとても便利でした。
挟むところにゴムを付けると安定する
今回やりたい加工は切断、研磨、穴あけ、溶接(ロウ付け)。
まずはバイスを机に固定。そしてパーツを挟んで、ミニルーターで研磨していくのですが、
衝撃でパーツがずれるってことがありました。
これじゃやりづらいなってことで2mmのゴムマットを挟んでパーツを固定。
これで安定しました。
ミニルーターは高速回転するビットで加工していく工具。
今まで左手に材料、右手にミニルーターのフォーメーションで使ってきましたが、
材料が小さいとかなり危険だし固定が安定しないので精度が出せない。
バイスがあると固定のことは考えなくていいのでかなりやりやすいです。
7mmの真鍮丸棒の中心に5mmの穴を開ける
7mmの真鍮丸棒を輪っかにしたものに、5mmの穴を開けるという加工を考えていたのですが
両端1mmずつしか残らないし、難しいかもなーと思ってました。
ドリルスタンドを購入しようと検討してたのはこの加工のためで、
はじめは輪っかを縦にして板ではさみ、さらにその板に台を付けてドリルスタンドを据え、
まっすぐドリルで穴をあけるという(なかなか複雑な)作戦を立てていました。
でも果たしてドリルスタンドでその精度がだせるのか。
そう考えるとまっすぐさよりも、固定の方が重要!と思い、バイス作戦に切り替えたのでした。
実際やってみるとこれが正解。
丁寧にドリルを使いさえすればうまくいきました。
これはかなりきれいにできたと思う。うれしい!
ロウ付けはバイスで挟んだままだとできない
真鍮のパーツ同士を銀ロウ付けで溶接しようとバイスと針金を使って固定したのですが、
これがなかなか苦戦しました。
パーツをバーナーで熱し、その熱で銀ロウを溶かして溶接していくのですがうまく溶けない。
液状に溶けてするっと接合部に入り込んでいくはずなんですが、
銀ロウの先がポロポロ取れていくような感じ。
バーナーの火力が弱いのかと思い、ハイカロリーのものに変えて試しましたがうまくいきません。
で、最終的にはバイスから外して耐熱レンガの上で加工しました。
うまくいかなかった理由は火力不足なんですが、バイスで挟んだままやってしまうと
熱がバイスに奪われて効率的に温度が上がっていかないことでした。
まとめ。繊細な作業ほど固定が重要!
電動工具を使うようになってしっかり固定することが精度に繋がるんだなーと学んできましたが、
当たり前だけど繊細な作業になればなるほど固定が大事!
丁寧に作業することだけに集中できるし、怪我予防にもなります。
ルーター買うときはバイスもセットみたいな感じですね。おすすめです。
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今回製作したドリッパースタンド
ドリッパースタンドを使用したイベントの様子